トド本　特選

　『海のけもの達の物語』

　　　和田一雄 編著

　　　発行所：成山堂書店

　　　定価：1,680円（税込）

　　　ISBN4-425-98131-6

【コメント】
　千島列島の夏、周囲は濃い霧に包まれる事が多い。千島列島をロシア船で調査していると、乳白色の霧の中から、かすかにトド、アザラシの鳴き声が聞こえ始め、その次に糞の臭い、獣臭さを感じるようになる。彼らの姿、そして上陸場が見え始めるはその後だ。

　1990年代、和田一雄教授に道をつけてもらい、北大を中心とした大学院生らがトド・アザラシ調査に何度となくロシア調査に参加した。その内容は、対象動物もオットセイ、ラッコ、トド、調査地も千島列島、サハリン、カムチャッカなどと多岐にわたっていた。作者である私自身もこれらの調査に何度も参加し、次のような価値観を持つようになった。すなわち、「トドへの興味も尽きないが、トドが生息している環境そのものが素晴らしい、そしてそこに関わる人間が面白い！（特にロシア人！）」。

　本書では、オットセイ、ラッコ、トドの生活史を分かりやすく紹介すると共に、これって秘境じゃないの？と思えるような大自然に囲まれた彼らの生息地、そしてその調査について、多くの写真、エピソードを盛り込んで紹介してある。

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　『北海道の海生哺乳類管理

　　　　　−シンポジウム「人と獣の生きる海」報告書−』

　　　　小林万理・磯野岳臣・服部薫　編

　　　　発行所：NPO北の海の動物センター

　　　　定価：1,800円（税込）

　　　　ISBN4-902747-00-9 C3045

【コメント】
　北海道には多くの海獣類がやってきて、良い面も悪い面ももたらします。その状況を広く知ってもらいたいと開催したシンポジウム「人と獣の生きる海」の報告書です。

内容はやや専門的ですが、北海道の海獣類生息地現場レポートや、一般的な生態の解説なども含まれています。数少ない海獣書籍のひとつ！

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　『トドの回遊生態と保全』

　　　大泰司紀之・和田一雄　編著

　　　発行所：東海大学出版会

　　　定価：11,550円（税込）

　　　ISBN 4486014693

【コメント】
　専門書です。価格からして手が出しにくい本だと思います。

トドを知るのに金に糸目はつけん！という豪気な方はどうぞ。

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